アガベ 阿修羅は阿修羅丸とも呼ばれるインドネシアの選抜タイプで、肉厚な青白い葉に太い鋸歯が印象的な骨太タイプなオテロイです。
台湾のブラックファイヤー(黒火焔)が出てくる前までは、ブラックファイヤーと呼ばれていた時期もあります。水に濡れると鋸歯が黒っぽくなります。
台湾の鳳凰と似た感じの株で、インドネシアの阿修羅(ブラックファイヤーと呼ばれている頃)が台湾に渡って鳳凰になったという説もあるくらい似ています。自分は両方育てていますが、うちの環境では鳳凰は鋸歯が白っぽく阿修羅は鋸歯が黒っぽくなっています。
自分は阿修羅や鳳凰タイプのアガベが大好きです。
実は自分の所持している阿修羅は、アザミウマ(おそらくミナミキイロアザミウマ)に食われました。アガベ辞めようかと思うくらい本当にショックなことで…、今は胴切りした子株から作り直しています。アガベをされてる方の役に立つかもしれないので、食われて弱っていく過程も記載しています。
阿修羅は本当に好きなアガベなので、ちょっと脱線気味になるかもしれませんが成長記録を書いていきます。
アガベ 阿修羅の入手で注意したいこと
なぜだか、どう見てもインドネシアのFOが阿修羅と呼ばれていることもあり、この点は気をつけたいところです。自分は阿修羅は鳳凰のような見た目の、青白い鋸歯と黒っぽい鋸歯を持つタイプのオテロイを阿修羅と思っています。
この株は自分が育てているインドネシアのFOです。鋸歯が白くワシャワシャしていて、阿修羅の鋸歯の形とも違います。
このインドネシアFOの記事はこちら
アガベ阿修羅の育成記録
大好きな阿修羅の入手から発根、育成を経てアザミウマに食われてしまうまでの記録。
アガベ 阿修羅を入手|2022年1月
Instagramでも有名なショップのサイトで、恋焦がれていたといってもいいアガベ 阿修羅を発見し購入させていただきました。
写真以上に持った感じのズッシリ感、肉厚で青白い葉、太く力強い鋸歯、それでいてバラのようなロゼットの綺麗なフォルム。もう自分の中で最高に大好きな感じです。
中株くらいのベアルート株だったので、殺菌殺虫をして水耕で発根管理をしました。寒い時期だったので下にヒートマットを敷いています。
使っているのは爬虫類用のGEXのもの
阿修羅の葉が展開する|2022年3月
素直な株で2週間ほどで発根、根を充実させるために軽めの用度で腰水管理をしている頃。
後から分かったんですが、実はこの時点で目に見えない大きさのアザミウマ(ミナミキイロアザミウマ)の幼虫が孵化し、めちゃくちゃ阿修羅の葉から汁を吸っていたのです。
ちなみにアザミウマは種類がものすごく多く、ミナミキイロアザミウマは成虫でも1ミリちょっとで、レモン色で見つけるのは至難の業です。この時は肉眼で見えない大きさの幼虫が活動していた時期で、胴切りする前に虫自体を拡大ルーペで見つけることになります。
同じ時期に撮った写真ですが、青い丸の箇所に注目して欲しい。新しく展開した葉に綺麗に並んだ茶色い点々があります。この頃は『ドラゴンボールのクリリンの額みたいだな』なんて呑気に思っていました。
深刻なアザミウマの被害を受けて、文献などを調べまくった結果、アザミウマの産卵痕の可能性が高いことが分かった。90個ほどの卵を、1つずつ丁寧に葉の中に産みつけるようだ。
参考:宮崎県病害虫防除・肥料検査センター ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi Karny)の生態について
今見ると、葉の付け根がもうやられていますね。
阿修羅や鳳凰系の株に、たまに見られるソバカスのような点とは全然違っています。
アガベ 阿修羅の鋸歯が弱まる|2022年4月
室内でアガベを育成していることもあり、今までアザミウマの被害を受けたことがありませんでした。だから、アザミウマの被害に気がつくのが遅れてしまいました。
中心部分の葉の葉緑素が抜けて、立派だった鋸歯がサイドから弱ってきてしまいました。クリリンの斑点の葉が展開して見えてきてから、1ヶ月ちょっとでこの状態です。
アザミウマを確認し胴切りする|2022年5月
入手して4ヶ月、ゴールデンウィークに胴切りしました。
この時には、ミナミキイロアザミウマ自体を拡大鏡で確認しました。
本当に目が良くないと見えないと思います。髪の毛よりもだいぶ細い黄色い小さい小さいホコリみたいなのが、凝視していると葉の上を動いていて、それで拡大鏡で見るとアザミウマでした。
胴切りを決意する時点で、クリリンの茶色の斑点が異様に増えていて茶色になっていないところも、ポツポツと凹んでいるのがはっきり分かります。
ブツブツが苦手なので気持ち悪いです…。
自分の写真で撮れる限界で撮影したミナミキイロアザミウマの幼虫。これが葉の上をスーッと動きます。アガベマイトと違って芋虫みたいにウニウニと動くのではなく、ゆっくりスーッと移動する感じでした。
アザミウマについては別の記事に詳しく書いていますので、ここからは阿修羅の話にフォーカスします。
胴切り直後の阿修羅。
ワイヤーで切る方法もありますが、自分は胴切りにはオールドベアのナイフを使用しています。切った後には殺菌剤のダコニールの粉剤を腐りや病気予防のため塗布して、あとはしっかりと外で1日しっかり風に当てて乾燥させています。
子株が顔を出してきた阿修羅|2022年6月
胴切りしてから1ヶ月ちょっと経つと、何個も子株がモリモリ出てきました。切る前の根も状態が良いので子株の成長がとても速いです。親株はアザミウマにやられていましたが、アザミウマの気配がないキレイな子株たちです。
独り言
SNSや某フリマでアガベマイトにやられているだろうアガベを見ると、胴切りして出た子株まで虫がついて吸汁されているのを散見します。胴切りしても虫のリセットが難しい、この点もアガベマイトが広まっている原因の一つかなと個人的に思っています。
胴切りから3ヶ月で1回目の収穫|2022年8月
阿修羅の胴切りから3ヶ月。子株が大きくなってきて隣の子株とぶつかるし、新しい小さな子株が育つスペースがないので1回目の収穫を実施しました。
親がとても良い株だったので、子株の時からいい顔をした子株たち。めちゃくちゃ可愛いです。結局、この阿修羅は9個の子供たちを残して最後は枯れていきました。
最後の親株を廃棄する時、泣きそうでした。
胴切りした親から採れた阿修羅でリスタート
親株の阿修羅はダメになりましたが、残った子株で再度阿修羅の育成をしています。
子株から作り直しの阿修羅|2023年11月
胴切り後、9個の子供たちを残してくれた阿修羅。4個の子株は、それぞれ新しいお家に旅立って行きました。
阿修羅が好きなので、小さかった子や最後まで親株についていた子など5株を育てています。まだ阿修羅の兄弟たちはプレステラ90ロングサイズ(そろそろ鉢増し)ですが、ムチっとコンパクトで丸々と育ってくれています。
まだ親株を入手した時のサイズには至っていませんが、それでも親株を思い出させてくれるところまで来ています。このままゆっくり成長してほしいです。
今後も親株を超えることを目標に、子株の成長記録を更新していきます。
アガベ阿修羅が教えてくれたこと まとめ
アザミウマに食われて本当にショックでしたが、この経験をしたおかげでアザミウマに対する知見も深見りましたし、殺虫と予防を徹底的にやるようになりました。今は新しい子をどんどんお迎えすることもなくなり、長い間、虫は発生していません。
新しい株をお迎えしていると、どうしても虫は入ってきます。
やはり殺虫をしっかりすることは本当に大切です。新しい株を導入したときに、その株だけ虫が出る(もともと潜んでた虫)ことはありますが、他の株に伝播してしまったりといったことは無くなりました。
見えない中心部ので肉眼の確認もできませんし、葉の中に産卵されていては殺虫剤の処置でも届きません。時限爆弾のように被害が現れるパターンもあると学びました。こればっかりは運じゃないですが、誰にもわからないです…。
この子も阿修羅からのアザミウマに食われました
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