アガベ 白鯨はやっぱりカッコいいので入手したい株ですよね。ただし、入手方法を間違ってしまうと思い描いている『白鯨』とは違ったチタノタを育てることになってしまいます。
自分もアガベにハマったばかりの時に、某大手フリマで“違う白鯨”を購入してしまった人です。その経験を踏まえて、初心者の時に知っておきたかった白鯨の見分け方と白鯨ではないけど白鯨として売られるアガベを紹介します。
本物と偽物の白鯨の違いは?見分け方を写真でチェック
実際に自分も初めての『白鯨』は初心者の時に某フリマで購入したのですが、見事な小雨新白鯨と成長しました。アガベにハマっていつかは白鯨と思って、育ててるうちに「違う!」となったパターンです。

初の白鯨は、思っていたボール状の白鯨に育ちませんでした…。
今では小雨新白鯨に愛着がありますし、夕映系は大器晩成なのでいかにイカつく育て上げるか?と楽しんでいますが、やっぱり気がついた当初は少なからずショックでした。
実際どんな子株を購入して、どう育ったのか?ボールタイプの白鯨とどう違うのか?他にも間違いやすいアガベとの違いなど1つずつ説明します。
一番入手したいであろう『丸くボール状に育つ白鯨』を本物の白鯨と呼びますね。他のアガベも偽物と言ってしまうとかわいそうなストーリーがあるので、それは後で説明します。
顔が出た状態の写真をまず最初にピックアップしています。それからその株が育っていく過程を書いています。入手しやすい子株から少し大人の顔が出てきた状態など、成長過程を見ていただけるので本物と偽物の違いがわかりやすいと思います。

自分が育てているアガベの写真で見分けるコツを確認しましょう!
これが本物!丸くボール状になる白鯨
本物のボール状に育つ白鯨です。このタイプを購入すれば、育成に失敗さえしなければキャベツのような丸い白鯨に成長します。この写真の親株は台湾から輸入された白鯨です。

本物の白鯨の子株
ボール状の白鯨から採れた子株です。まだ幼葉で特徴が出ていない状態の子株です。
成長速度や水やりや肥料の加減、LEDでの育成などでも変わるのですが、白鯨の子株ですが鋸歯は茶色で白鯨っぽさはないですね。

横から見てみると、こんな感じで鋸歯も赤ちゃんです。古い葉は水分が抜けて白い鋸歯になっています。

白鯨らしさが出始めた小株
少し育って大人の顔が出始めた子株です。まだまだ小さいですが、ボール状の親株と似た長い鋸歯が出ているのが分かります。葉も幼葉の時とは違って短く幅広くなっています。葉がびろーんと反らずに、丸くなっていっています。

入手から白鯨について詳しく書いています。

丸くならない?夕映系の白鯨
夕映系の白鯨と呼ばれている子株が成長すると、夕映の特徴が出た親株になります。葉はトゲトゲとしていて白鯨に比べ長く、形はボール状にまとまることはありません。ボール状の白鯨と違って、葉が丸くならずに反っています。

夕映系の白鯨は鋸歯で見分けられる
夕映の特徴は鋸歯です。鋸歯は強く短い犬の奥歯のような独特の形をしています。ひらがなの『く』のような鋸歯も見られます。また、葉の縁取りのギザギザが目立つのも一つの特徴です。

小雨新白鯨の子株の時
某フリマサイトで白鯨と信じて入手した時の、小雨新白鯨の様子です。真っ白な鋸歯が初心者は『白鯨』と信じてしまう要因になっていると思います。斑入りじゃないのでさらに信じてしまった感があります。

白鯨として購入しましたが、別物でした…。

横から見てみると、夕映系であることが慣れるとすぐに分かります。夕映系の特徴の短く『く』の形をした鋸歯が、入手時でも見てとれます。
ボール上の白鯨がちょっと育って親の顔を出した時と比べて、明らかに別の顔が出てきています。鋸歯が強い葉が出てきているのに、短葉になる気配がありません。それに、葉が外側に反っています。

少し育った状態がこんな感じです。こういった雰囲気の『白鯨』は白鯨ではないので注意してください。大きい葉が出ているのに丸く短葉になっておらず細長く外側に反った葉で、鋸歯は白くキレイですが短く「く」みたいな形です。
上記の親株のように立派な夕映系のアガベに育ちます。

丸くボール状にならない偽物の白鯨
上記で説明した特徴以外にも、白鯨として売られていて『白鯨ではない』パターンの株の特徴をご紹介します。
白鯨で販売しているのに、“斑”が入っているのは白鯨ではないです。斑が入っているのに『白鯨』という名前で出回っている株は、完璧に別のタイプのアガベです。
白鯨に本当に斑が入っているものもあります。ただし、その場合は超高級株です。

もし本当に白鯨に斑が入っていれば何十万もする高級株なんです。
夕映系の白鯨
これは、夕映の子株です。葉の中心部に黄色の斑が入っています。(外側に斑が入る個体もある。)この斑は季節性のものもあり、斑が目立たなくなる時期もあります。また、成長とともに薄くなり消えていきます。鋸歯は茶色ですが、夕映の特徴ある短く強い刺です。

チタノタ覆輪斑(バナナピール)
次はチタノタ覆輪斑、輸入された株の場合はバナナピールと呼ばれていることもあるタイプ。葉の縁に斑が入っています。鋸歯は夕映とは違っていますが、これも白鯨ではないです。
話は変わりますが、この斑は大きくなっても残るので上手に育てるとキレイな株になります。

サンバーストなどの流通名のもの
これはちょっと違う鋸歯を持っていますが、サンバーストの例として葉の色を見てください。サンバーストは葉にまだらの斑が入ったり、成長点を中心に黄色い斑が入るのが特徴。

病気ではなく、これも斑の一種です。
白鯨で売っているのに、黄色い斑が入っている株は白鯨ではないです。季節によって斑が濃くなったり薄くなったりするので、購入時にはよく見てください。

「偽物」なのか?混乱の背景を知ろう
まず知っておきたいことは、『白鯨』と呼ばれているアガベが全て同じタイプではないということです。
「ボール状に育つ白鯨を育てたい」と、白鯨の子株を購入すると思いますが、白鯨と名前が付いていても別のタイプのアガベである可能性もあるのです。そうなると、偽物だとなりますよね?
某フリマアプリはもちろん、オークションなどでも多くの“タイプの違う白鯨”が売られています。アガベブームでショップも個人販売もピンキリで、白鯨で手に入れたから実は夕映系だと気が付いても『入手時の名称』などと断りを入れて白鯨として売っているのも見かけます。
さらに残念なことに、全然違うタイプのアガベまでが売れるという理由で白鯨として売られています。

欲しいアガベを手に入れるには、目を鍛えるしかないです。
ボール状に育つタイプが本物と呼ばれる白鯨
まず一つ目は、いわゆるボール状に丸くカッコ良く育つタイプの白鯨。これが初心者が多分入手したい白鯨だと思います。日本の白鯨が海外に渡って、今では台湾から輸入されたりしています。

旧来白鯨
それから、旧来白鯨と呼ばれる日本に昔からある白鯨。マニアになってくると手に入れたくなるアガベで、ブランドとして確立した方のお名前や土地の名前が入っている白鯨など、まとめて旧来白鯨と呼ばれています。
旧来白鯨ももちろん本物の白鯨です。ボール状にカッコよく育ちます。自分も2系統の旧来白鯨を育てています。

「白鯨」としての出回る夕映系
ボールタイプの白鯨の他に、主に輸入株で『白鯨』と名前がついているアガベがあります。これがよく間違って購入されてしまう夕映系の白鯨です。海外で夕映系の棘の白い個体を“○○白鯨”と呼んでいることが影響して、日本に入ってくる時に単に白鯨として販売されることが多いのです。

海外での呼び名が影響してる場合もあります。

福建白鯨や老白鯨は夕映系白鯨
下記のアガベは海外で新白鯨と言われる部類の白鯨で、ボール上に育つ白鯨とは別のタイプのアガベです。夕映系の鋸歯を持っていることが特徴。さらに白鯨では入らない『斑』が入っていることもある。率直に言ってしまえば、白鯨ではないです。あとで詳しく写真で紹介します。
注意!これらはボール状に育つ白鯨とは違うタイプ
- 小雨新白鯨
- 福建白鯨
- 夕映(ソーラーエクリプス)
- 老白鯨
- サンバースト
じゃなかった方の白鯨の話

まったくの別タイプ(南覇王や剣竜など)
白鯨と名前がついていれば日本で売れるので、中には悪質な場合もあり、中国などでも別名の子株を白鯨と偽って販売していることもよくあります。棘が白いというだけで、他の名称の子株(例えば南覇王など)を、白鯨として販売していることも多いので注意が必要です。

夕映系は海外での呼称が影響しているとも言えますが、南覇王や剣竜など違う名前が付いているタイプのアガベを“白鯨と偽って”販売するのは、購入者を騙してやろうという意図があると思います。

売れればOK!という悪意があります。
南覇王も剣竜など本当は良いアガベなのに、『白鯨』と偽ることで価値を下げてしまっている残念な状態です。
白鯨とは異なるクジラシリーズの紹介
白鯨と偽って売られることはないですが、一つの参考としてチタノタ鯨シリーズには白鯨、黒鯨、金鯨があります。参考にご紹介します。
アガベ黒鯨
黒鯨は黒い鋸歯が特徴的で、肉厚の葉でずんぐりむっくりとしたフォルム。大きくなると独特の連刺が出るようですが、そこまで形を作るのはめちゃ難しいです。
勝手にカッコよく育つ白鯨に比べると、大器晩成でもあり育成難易度は高いです。ただ、中株までは勝手によくなるので、見頃を長期維持しながら年数を重ねた親株にすることが難しいと言った感じです。


アガベ金鯨
金鯨は白鯨と比べると成長がとてもゆっくりで、小ぶりなアガベです。鋸歯が安定せず、背面にトゲ(裏トゲ)が出やすいのが特徴です。
金鯨は初心者さんが見分けにくいことから、今でも詐欺まがいに使われがち。鋸歯が強いし裏トゲも出るので別の名前をつけられたり、白鯨スペシャルなどと言ってみたり、逆に白鯨を金鯨として値段を釣り上げることもあります。
自分が持っているのは台湾や中国由来ではなく、金鯨と名前がついて輸入されるよりずっと昔から日本にあるタイプです。めっちゃお気に入りの株です。

本物の白鯨を手にいれる方法 まとめ
白鯨にはボール状にまとまる『本物の白鯨』の他に、海外で○○白鯨と呼ばれている夕映タイプの白鯨があります。夕映タイプのものは、全く白鯨とは別タイプです。
夕映タイプのものは、ボール状にならずに葉が細く外側に反り返り、鋸歯は白鯨のように長くイカつくならずに、短く強いものになります。

ボール状の白鯨よりも、輸入価格がかなり安いです。
夕映タイプのボール状にならないタイプ
- 小雨新白鯨
- 福建白鯨
- 夕映(ソーラーエクリプス)
- 老白鯨
- サンバースト
海外で白い鋸歯をもつアガベに“○○白鯨”といった名前がついているので、輸入された時に白鯨として販売されてしまうことも多くあります。自分もそうでしたが初心者が分からずに購入し育成した結果、違う種類になってしまいます。
それから、白鯨には斑が入っていないのに『斑入り白鯨』というパターンも見受けられます。本物の白鯨に斑が入っていれば、2023年では子株でも10万円以上する高級株なのですが…。(最近はTC株(組織培養で増やされた子株)が中華圏から入ってくるようになり、白鯨の斑入り株もお手頃にはなってきています。)
他にも悪意のある場合もあります。白鯨と付ければ高く売れるので、全く違う種類のアガベを白鯨として販売したり、『購入時の名称』と言って、白鯨ではないと気が付いたのにそのまま転売されている場合もあります。
自分も白鯨として某フリマサイトで初心者の時に購入した株が、小雨新白鯨だった時はショックでした。
フリマアプリでもオークションでも偽物の白鯨は多く出品されています。中にはショップと謳っているサイトで、夕映系タイプのものを白鯨として販売しているのも見かけました。
アガベを始めたばかりだと見分けにくいかもしれませんが、少しでも役に立てれば嬉しいです。
ちなみに、小雨新白鯨はどうすればイカつく育てられるか?と試行錯誤しながら今でも大切に育てています。夕映系は大器晩成で難しいタイプのチタノタなので、これはこれでマニアックで楽しいです。

トゲラボの子株も時々販売しています。
ごくたまに、トゲラボでとれたボール状に育つ白鯨の子株を販売しています。https://shop.haworthia-sp.com
同じように黒鯨も偽物がよく出回るアガベです

メッセージがあればどうぞ