アガベ ブラックアンドブルーは普及種と言われていますが、カッコよく育てるのは難しいです。
自分は系統違いのブラックアンドブルーを育てています。1つは古い台湾由来で、もう一つはUSです。もっとも元をたどれば1つの親に行くつくかもしれませんが、ナーセリーそれぞれで手を加えて増やしているのでやっぱり癖も違っています。

どっちもカッコよく育てるのは難しいです…。
台湾由来のものを1号、その後にUS由来のものをゲットしたのでそちらを2号として育てています。今みたいにどっかどっかと中華圏からメリクロン株が輸入される前に入手した株たちです。
1号はアガベに魅了されてすぐに入手した株で、薬害が出ている子だったのですが”さび病”と間違えるという初心者あるあるを経験をさせてくれた株です。

アガベ ブラックアンドブルー2号(from US)の育成記録
ブラックアンドブルーは中株以降の育成が難しいので、子株から1〜2年ほどで形を崩してしまうことが多いです。だからこそ、育成に燃えるチタノタだとも言えます。

何年もかけて育成に取り組みたいチタノタです。
見頃をあっという間に過ぎてしまって徒長させてしまうのではなく、カッコ良い姿を何年も維持できるように、古株になるにつれガッチリ葉に厚みのある株を作りたいと思って試行錯誤しています。
US由来のブラックアンドブルーを入手|2022年1月
2021年にPCPさんが、アメリカの砂漠みたいな場所のナーセリーで買い付けしていたブラックアンドブルー。『Instagramで数株買い付けた』という発信を発見してから、販売のタイミングを虎視眈々と待っていて、念願かなって入手したブラックアンドブルーです。

入手できた時は嬉しくて、手が震える感じがしました。

砂漠みたいな土地に地植えされていたブラックアンドブルー。
手に取ると葉の枚数の割にずっしりと重くて、下葉などの隙間には細かい砂が挟まっていて、砂埃の中で育っていたという現地ナーセリーの環境を『厳しいんだろうなぁ』と想像しました。下には幼葉が残っていますが、サイズは大きいベアルート株です。

荒々しくめちゃくちゃカッコいいです!!

まずは砂も付いている株なので、殺虫&殺菌処理をしっかりしました。
殺虫&殺菌についてはアガベ入手後の殺菌&殺虫の方法と注意点にまとめているので、参考になることがあれば嬉しいです。

殺虫&殺菌処理が終わったら、ベアルート株なので発根管理です。いつものように寒い時期の発根管理にはヒートマットを使って根本を温めています。

自分はなぜか冬に植物をお迎えしたくなるんです。

自分はGEXの爬虫類用のヒートマットを使用しています。GEXの生体に使用するものなので安心して使えるからです。発熱するもので知らないメーカーの中華製はちょっと怖いので避けています。
発根して新葉が展開|2022年5月
ベアルートのブラックアンドブルーを育成してから4ヶ月。1ヶ月弱ほどで発根したのでプレステラ120でしっかり根を張らせるように育成しました。
新しく葉が展開を始め、短葉で分厚い理想的な樹形に。「もう完成じゃない?と思うほどカッコいい」のですが、これは自分の育成どうこうではなくこのブラックアンドブルーが持っていたポテンシャルです。

このカッコ良さは現地の育成が良かったからです。

育成7ヶ月でちょっと崩れ始める|2022年11月
育成が上手く行くことばかりではないので、正直に記録します。育成から7ヶ月、ブラックアンドブルーの様子が…。カッコいい樹形からちょっと崩れ始めました。
この写真の後に4号鉢にサイズアップして植え替え、葉の展開がしやすいように下葉の処理をして試しに用土も変更してみました。

現地のナーセリー環境のボーナスタイムが終わって、崩れてきてしまいました。ギリここまではカッコよく育成できましたが、やはり難しいです。

徒長を始めたブラックアンドブルー|2022年11月
鉢増しして用土変更したものの、ブラックアンドブルーが急激に徒長を始めました。砂漠で育ったこの子には甘い環境だったのか…。水やりの頻度や用土、LEDにも好みがありそうですし、照射時間が短いのはもちろんNGですが長すぎてもよくないようです。

やっぱりストライクゾーン見つけるのが難しい!

徒長したブラックアンドブルーを子株から育成し直し
徒長してしまったブラックブルーを親株として、子株をとってFrom USのブラックアンドブルーのストライクゾーンの育成環境を探ることにしました。
ブラックアンドブルーを子株からやり直す|2023年5月
ブラックアンドブルーのストライクゾーンも分からない自分に、残念ですが徒長した株を仕立て直す技術はない。なので、子株をとって色々な育成条件を試してみることにしました。

親株のポテンシャルは育成したから知っています。目指すはあれ!
子株を取る前に5号菊鉢へさらに鉢増しして、しっかり根が張ってから胴切りしました。

子株1番を採取して育成開始|2023年8月
ブラックアンドブルーを胴切りして3ヶ月で、いい感じまで1番目の子株が育ったので採取して育成を開始しました。根張りもよく体力のある親株なので、子株の成長も速いです。

天芽の子株を採取して育成開始です。

まずは、親とは違う育成方法を試してみます。1番ちゃんはLED単灯での育成です。
LED単灯での育成1番子株|2024年7月
単灯でLEDを照射している1番子株。子株を外してから11ヶ月。天芽だったので根がなく発根後、2度ほど植え替えしていてミニ蘭鉢4号で育成中。
1回目の植え替えは天芽の根を伸ばすために甘い用土だったので、通常用土に交換するために植え替え。
その後、通常用土では水やりの頻度を上げないと根がカラカラになり葉もシワが入ってしまうので、少し培養度の割や胃を増やして水もちの良い用土へ変更し様子を見ている。

LED単灯での育成1番子株|2025年1月
ブラックアンドブルー子株1番ちゃん、LED単灯で育成して1年5ヶ月。4号鉢から葉の先が出るほどにまで成長しました。
カッコよく育っているけど、親株の葉の厚みがあって重厚感があるあの感じにはなっていない…。外では育てられないのでLEDであのカッコ良さを出したいですね。

ブラックアンドブルー親株の様子は|2025年1月
胴切りしたブラックアンドブルーの親株は、たくさん子株を出してくれています。そのおかげで1番以外にも違った環境で育成比べができています。

パネルライトで育成の2番子株|2025年1月
1番にとれた子株より数ヶ月遅れに採取した2番ちゃん。パネルライトで育成してみています。このパネルライト安いのに子株の育成にいい感じなので。

MARSのEVOより自分とこでは成績良いんですよね。


親株から外した時にカキコだったので根がついていたのでそのまま用土に植えて、植え替えしないで感じよく育っている2番ちゃん。プレステラ深鉢90で育成中。
1番よりは一回りほど小さく、大人の葉の数もまだ少ないですが良い感じです。でも、親株の野生み溢れる厚みのある葉にはなっていないですね。

徒長のように見える?子株3番|2025年1月
ブラックアンドブルー子株3番ちゃん。徒長しているように見えます?
徒長といえば光量不足と1番に考えられますが、この子は2番と同じパネルライトで育てています。収穫時期もほぼ一緒で根付きのカキコ。鉢は2番よりも小さいスリット鉢です。
何が違うかというと、水やりの頻度と量です。3番は水やりの頻度と量を極端に少なくした結果、葉が長く葉の枚数も少ない樹形になりました。言い換えれば、鋸歯の感じを見てもまだ大人の葉を上手く出せてないとも言えます。

今はこの状態から水やり頻度を増やして、2番のような樹形に持っていけるかを試してます。

水やりを通常にしてみて、短葉が出てくるか試しています。
ブラックアンドブルー2号|徒長で子株から作り直し 育成感想
ブラックアンドブルーはここ数年で中華から大量にメリクロン苗が輸入され、格安に販売されるようになりました。
価格が安いのでアガベ初心者にお迎えされることも多いブラックアンドブルーですが、価格とは逆に育成難易度はとても高いです。他のチタノタ(オテロイ)よりもいろんな理由で徒長しやすいため、見頃と言えるカッコ良い時期はめちゃくちゃ短いです。
LEDで育成しているチタノタ(オテロイ)全般にいえますが、大人の葉が出てきて10枚くらいになってきた中株以降、カッコ良さを継続しながら株の樹齢を重ねるのがとても難しいです。
水を切りすぎてもいけませんし、もちろん過多でもよくない。LEDでブラックアンドブルーの育成ストライクゾーンを見つけてカッコ良く“長い年月”育てられれば、もう他のアガベなら育成無双じゃないのかと思っています。
自分の目標は中株以降まず5年、カッコ良い姿を維持(できればどんどん良くなる)ような育成ができるようになりたいです。しかもLEDで。

5年以上カッコ良さを維持した育成が目標!
こんな感じで自分はUSタイプのブラックアンドブルーから、アガベの育成について学ばせてもらっています。
台湾由来のブラックアンドブルーも持っています

BBと混同されやすい黒鯨


メッセージがあればどうぞ