涼しくなったのでちょこちょこ子株を出しますBASE

アガベのさび病と対処と予後

アガベのさび病と対処

まず初めに断っておきます。アガベの病気の同定は難しい。家庭園芸では細菌分類検査を外部機関に依頼するまでするかと言うと、…しない。

と言うわけで、間違っている場合もあると思うけれど、ここはあくまで自分の忘備録。あえて外観の病変から推測する病名を使うこととする。さらに、自己責任で薬剤を使用。

健康的にすくすくと育っていたタイ産のFOに、他の植物で言うところの『さび病』が出た。このアガベに行った対処と経過を記録していく。随時更新、また訂正もする。

目次

さび病とは?メジャーなカビによる病気

アガベに現れた症状から推測し、さび病というものをまずは調査。

さび病は、野菜、草花、果樹、庭木など多くの植物の葉、茎、果実などに発生します。
 葉に発生することが多く、大部分の植物では、最初は葉裏に、小さな黄白色の斑点を生じます。やがて斑点が拡大し、さまざまな色や形のやや盛り上がった斑点になります。病気が進行すると、葉表にも病斑ができます。

みんなの趣味の園芸(https://www.shuminoengei.jp/?m=pc&a=page_s_sickbug_detail08

色々と調べてみると、さび病は植物にとってメジャーな病気だと知る。

菌に感染してしまうと菌糸が植物の中を走っているので、綺麗さっぱり全ての菌を殺すのは難しい。これは、植物が動物のような免疫機能を持たないからなのですが、そういった話はまた別の機会に。簡単に言えば、ネギなどで発生した場合、全部抜いて処分してしまうような病気

一般的に発生した株は捨てる…ただ、アガベでそれは難しい。

大事なアガベを廃棄するのは無理なので、なんとか対処する方向で進める。

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さび病を抑え込むために手を尽くすことにしました。

アガベにおいてのサビ病の考察

アガベに焦点を当てて、さび病の特徴をまとめてみた。あくまで、自分用のメモ。

  • 原因…糸状菌(カビ)の感染。
  • 症状…鉄のサビのような斑点。
  • 進行…葉の裏から始まり、やがて全体に広がり枯れる。
  • 注意…他の株への感染源になり得る。
  • 予防…健康な苗の入手。
  • 治療…感染した葉の除去、殺菌剤の使用。
  • 予後…保菌していても発症させないことは可能か。

感染していない苗の入手が一番。だが、ベアルートの輸入株だと正直判断がつかないと思う。保菌していても症状に出ない、不顕性感染していることもあるからだ。

さび病は軟腐病のようにジュレてしまったりせず、カラッとしているので余計感染しているか分かりづらい。

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育成がしているうちに茶色い斑点が増えて、初めて気がついた。

さび病にかかったアガベ
さび状の病変が見られるアガベ

健康なアガベを入手することが一番の対策

輸入や輸送、新しい環境などアガベに強いストレスが与えられた時に出てくるのではないかと推測。適切な環境でアガベを栽培していると信頼できるナーセリーの株を入手することが、一つの安心ポイントかもしれない。

また、親株が感染していると、胴切りした子株は高頻度で感染している。この点からも、病気の株が散見されない信頼できるナーセリーの株、もしくは趣味家さんから入手するしかないと思う。

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状態の悪いアガベは、病気を持っている可能性も。

アガベのさび病と治療

2022年7月22日、FOいわゆるノーネムの個体(from タイ)で、さび病の疑いを発見。

葉の裏側に、赤茶色の斑点が無数にあるのを確認する。中心に近い新しい葉よりも、外の葉でなおかつ葉の外側に多くの茶色い斑点状の病変がある。

アガベのさび病を発見
2022年7月22日にさび病を発見

さび病への対処と1回目殺菌(ステップ1)

  1. 鉢から株を抜く
  2. 病変が見られる葉を全て除去
  3. 殺菌剤に漬け込む(アミスター&アプローチ)
  4. 薬剤を乾燥させる
  5. 新しい鉢に新たしい用土で植え込む
  6. 風がよく当たる場所で養生する
  7. 水やりは5日後から開始

さび病を疑い、まずはプレステラから抜いて生長点と症状が出ていない2葉だけ残し、その他の葉は全て取り除いた。根は元気そうだった。

その後丸ごと、アミスター(2000倍希釈)とアプローチを希釈した液にドブ漬け。荒療治だが、30分ほど漬け込みをした。

アミスターとアプローチの混用の注意点

アミスターは糸状菌類に効果がある。アプローチBIは、展着剤なのだが植物への浸透を強める働きがある。ただし、アミスターとアプローチBIの混用は、浸透作用が強いため健康なアガベでは薬害が出る恐れがある。今回は株の奥深くまで浸潤する厄介な糸状菌を抑え込むため、この組み合わせで殺菌を実施した。

1回目の殺菌:アミスター(2000倍希釈)&アプローチ(展着剤)にドブ漬け…約30分

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殺菌が終わったら、アガベを薬剤が乾くまでサーキュレーターの前に放置。薬剤が乾ききったところで、プレステラと土は新しいものを使い、再び植え込み。乾燥しやすいように、株元が少し見える程度に浅く植え込んだ。

再びサーキュレーターの風がよく当たる位置で光は弱めの場所で養生する。水やりは5日後から開始した。

さび病で葉をむしったアガベ
さび病で葉をむしったアガベ

2回目の殺菌(ステップ2)

1週間後、再度殺菌剤で処理。糸状菌はちょっと殺菌したぐらいでは、全然効果がない。さび病(糸状菌)に対して効果がある薬剤を何種類か用意し、1週間のスパンで複数回散布した。

アガベでは使用例を聞いたことがないが、バラではさび病に効果が高いと噂のサプロール乳剤を入手。薬害が出る覚悟で、2回目の殺菌はサプロール乳剤の1000倍希釈を展着剤不使用でたっぷりと散布した。

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薬害覚悟でしたが、意外にアガベにはノーダメージでした。

 2回目の殺菌:サプロール乳剤(1000倍希釈)散布

STサプロール乳剤
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3回目の殺菌(ステップ3)

サプロール散布から1週間後に、3回目の殺菌。ベンレート(2000倍希釈)を散布。

3回目の殺菌剤使用後は、いったん病状が広がるかの様子を見るため殺菌剤の使用は、1ヶ月に1回の定期殺虫殺菌時に変更。ちなみに、一度茶色くさび状の斑点が出た部分は、いくら殺菌しても元に戻ることはない。

アザミウマ対策としては殺虫は2回/月。病気予防の殺菌は1回/月で実施している。

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アガベを健康的に育成する

糸状菌による病気は、アガベが健康に育っていない時に現れることが多く感じる。例えば、根鉢になって十分に栄養が行き渡っていない時や、アザミウマに吸汁されてしまった時などに、運悪く雨や水やりが多い状態になって株全体がジメジメしてしまっていたりすると、アガベが調子を崩しやすい。そんな時に、糸状菌は活発にアガベの中で広がってしまう。

アガベをよく観察して健康に育てることが、病気の予防と治療にとても重要だと思う。

さび病治療後のアガベ

さび病を治療するため、薬剤散布と病気を発症した葉をむしり取ったアガベのその後。さび病の治療は成功しました。

3枚しかなかった葉のあのアガベ。今では完全復活以上に、ビッグママになりました。親株も子株もさび病の症状は一切ありません。

さび病が治ったアガベ
さび病が治ったアガベ

さび病じゃなく薬害の可能性も考える

さび病といえば、初めて入手したBBが最初からさび病の様だったので処置したのを思い出す。経験を積んでいくと、それがさび病ではなく、薬害を受けたアガベだったと分かった。そんな場合は、逆に農薬の使用が株を痛めることもあるので注意が必要。

下葉が薬害で傷んでいるBB
下葉が薬害で傷んでいるBB

アガベのさび病のまとめ

アガベの葉に突然現れ、どんどん増える茶色い斑点。色々調べていると他の植物でメジャーな”さび病”に類似していることを発見する。

個人の趣味の園芸では最近の種類を同定することは、まぁ現実的ではない。したがって外見的所見に基づき”さび病”として、アガベの処置を実施した。

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やったことは以下のような流れ。

  1. 鉢から株を抜く
  2. 病変が見られる葉を全て除去
  3. 殺菌剤に漬け込む(アミスター&アプローチ)
  4. 薬剤を乾燥させる
  5. 新しい鉢に新たしい用土で植え込む
  6. 風がよく当たる場所で養生する
  7. 水やりは5日後から開始

さらに、1週間間隔でタイプの違う殺菌剤で処理。3回を目処に、月1回の殺菌に移行した。

病気の症状が出ている葉を取り去り、殺菌剤で糸状菌の繁殖を抑えつつ、健康的にアガベを育てるという感じ。

さび病は完全に治り、親株として子株もたくさん出す健康アガベになりました。

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さび病治療で、アガベは無事に回復しました!

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