一言に白鯨といっても、目が肥えてくると見分けられるくらいに色んなタイプがある。パッと見では分からないかもしれないけど、同じ条件で育てているのに明らかな差が出るのは、やっぱり系統的に全く同じじゃないからだと思っている。
以前に書いたように自分はLIZE産つまり台湾から来たタイプの白鯨、他にLIZEとは違う台湾の生産者の白鯨2つ、さらに日本国内に昔からある白鯨2つを育てています。
自分個人的にアガベに出会った2021年ごろは、販売者の方がこぞって台湾株を推していたのでアガベは台湾がめちゃくちゃリードしているんだと感じていました。でも実は、白鯨は元々日本のものが海外に渡ったそうですね。
だから旧来白鯨と呼ばれるタイプがあるんですね。
何十年も前から日本国内でずっと大事にされている白鯨と呼ばれるタイプのアガベには、生産者の名前や地域の名前が付いたりしており細かく何系統かあるようです。
旧来白鯨 長野県産の育成記録
ここで書いていくのは長野県で大事にされてきた系統の旧来白鯨。元は安曇野で育成されていた白鯨の子孫。
旧来白鯨 長野県産 入手 2021年10月
趣味でサボテンやアガベを育てている長野県の方から、運よく安曇野で大切にされていた白鯨の子孫であるちっさい子株を購入させてもらいました。
ネギという言葉がぴったりな子株。寒い時期に郵送したのでちょっとダメージがありましたが、カキコ(親株の脇から生えてきた子株)で根があったのでそのまま用土に植えました。(横に置いていた右のハオルチア十二の巻の方が大きいですね。)
今だとこのサイズだとメリクロンで大量生産された子株もたくさん出回っていますが、この子は小さいですがでっかい親株の脇から出た子株です。
小さい株だったので根が弱く、いつものヒーターマットの上で養生しました。ちなみに留守中の漏電とか発火が怖いので、自分はよく分からないメーカのものではなくGEXの爬虫類用のヒーターマットを愛用しています。
幅の広い葉が出始め展開が始まる 2022年2月
長野県産の旧来白鯨を入手してから4ヶ月。ネギのような見た目から徐々に変化し、幅のある葉が出て展開を始める。鋸歯はめちゃくちゃ弱い。
大人の鋸歯が出始めるも地味な株 2022年5月
ネギのような子株を入手してから7ヶ月。プレステラ120深鉢に植えています。
大人の鋸歯も出てきましたが、新鮮な鋸歯が黄緑でパーっと開いた感じの樹形なこともあり『白鯨なのか?』という疑念が出てきたりした頃です。(この頃は経験も浅かったので、子株を育てながらも色んな不安がありました。懐かしいです。)
もちろん後々、白鯨になっていきますよ。
台湾LIZE産の白鯨のような派手さはまだなく、大人の鋸歯も出始めていますが地味な印象です。
丸いボール状になかなかなる気配もなく、ちょっと白鯨で小雨新白鯨をつかまされた時を思い出したりしていました。
南覇王竜に似ている?中株サイズの旧来白鯨 2022年8月
旧来白鯨の入手から10ヶ月が経ち、ようやくボール状になる葉が出てきました。先に育てていた台湾産の白鯨に比べると、同じ条件なのですが葉がやや長い形状です。
この時点では飴色の鋸歯にちょっと縦に長い葉の形状、なんだか南覇王竜に似てきました。
やっと白鯨っぽくなってきた旧来白鯨 2022年11月
旧来白鯨を入手してから1年と1ヶ月。やっと白鯨っぽい見た目に変身してくれました。この時はまだバンクスの4号で我慢してもらっています。
成長が遅いわけではないけど、変身は遅い。
葉が展開するスピードは遅くないのですが、1枚1枚展開するたびに進化していく速度が台湾白鯨に比べると遅いです。
同じ条件で台湾産の白鯨の子株も育てていたのですが、1年で台湾の白鯨はボールのしっかりした白鯨になりました。この長野県産の安曇野くんは1年を過ぎてもまだまだです。でもですね、葉の横幅がめちゃくちゃ広いです。台湾白鯨の1.5倍くらいの葉の幅があります。
しっかりボール状に育ってきた旧来白鯨 2023年10月
ネギの旧来白鯨の子株を入手してから2年。やっと丸い白鯨に育ってきました。「育ってきました」と書いたのは、まだまだ進化しているからです。
葉の幅がまだ広くなっていっていて、中株の頃に葉の形状が縦長だと書いていましたがその長さがある分を補うように葉の幅がどんどん広がってます。
5号角鉢に植え替えしました。この写真だと、1枚上の写真だと分かりづらかった1枚の葉の幅そして大きさが分かりやすいかなと思います。
実際に目で見ると、葉の幅の広さに驚くかも!
同じ日に撮った写真ですが、ライトの加減で鋸歯が茶色っぽく写っていますが実際は1枚前のように白いです。
本当はもっと大きな6号くらいに植えてあげてもいいのですが、この子は伸び伸び育成するとい大きくなりそうなので少しずつ鉢増しする感じにしたいと思っています。
あんまり辛めの用土や水やりだと葉の色が悪くなりやすい印象があります。日本に長くある系統の白鯨なので、日本の環境に適応しているのかもしれないです。そういうストーリってなんかロマンを感じますね。
日本の土地に馴染んでいるのかもしれないですね。
旧来白鯨 長野県産(安曇野白鯨)まとめ
自分が持っている台湾産白鯨(LIZEやCJ産)に比べると、長野県産の旧来白鯨は成長自体は遅くないものの迫力ある“THE 白鯨”の見た目になるのには時間がかかります。
中株くらいの若い頃から強く幅のある鋸歯が出る台湾産白鯨ですが、長野県産の旧来白鯨は大人の見た目になってきてやっと鋸歯が強くなっていきます。
中株までは少し長い葉をしていましたが、中株以降は長さに負けない横幅が出て1枚1枚の葉の大きさがとても大きい見栄えのする白鯨に育っています。
丸くコンパクトというよりも、どこか荒々しくダイナミックさがある白鯨です。同じように育てていてもやはり系統で表現が異なっているので、白鯨と言っても細かくタイプが分かれていそうで面白いです。
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