アガベ金剛狼は、中国の超有名ナーセリー『龍球荟』がリリースしたオテロイで、サイドの鋸歯がワシャワシャしているのが一番の特徴。
自分がアガベを始めてすぐの頃から、めっちゃ憧れていたタイプのオテロイです。龍球荟は親株から子株を取る方法での生産なので、そもそも出回る数が少なくお目にかかる機会もあまりなかった印象です。
さらに、当時は(今でも?)龍球荟は小売しないスタイルだったので、アガベの価格も1株数万円〜が普通だったので、個人での買い付けはちょっと難易度が高いイメージでした。
今みたいに培養工場でTCや薬剤使ってバンバン子株や、エグい鋸歯のオテロイが出回る前。輸入される子株の数自体少なくて、お値段も相当だった時の憧れの“龍球荟のアガベ”。その元祖ワシャワシャ系の金剛狼を入手して育成した記録です。

派手なタイプではないマニアックなオテロイです。
アガベ 金剛狼(ウルバリン) from 龍球荟の育成記録
どこまでLEDで龍球荟親株に近づけられるか?課題だらけで、育成環境のハマるところを探しながらの育成中です。まだ本領発揮とはいかない、進化途中の金剛狼の育成を記録しています。
憧れの金剛狼の小株を入手|2023年2月
2022年から龍球荟の金剛狼を手に入れたいとずっと思っていたところ、有名販売者さんが2株だけ販売しているのを発見!連絡させていただき、奮発して無事お迎えできました。

アガベとの出会いは一期一会ですから!
寒い季節だったので赤みがあったのですが、販売者さんが土に差して養生していてくれたおかげで発根もしていました。到着後は殺虫殺菌の処理をしてから、水か吸いやすいように甘めの用土でプレステラ105深鉢に植え込みました。


2月ということで寒い時期なので、根が元気に動くように鉢の下には愛用のGEXの爬虫類用のヒートマットを使用しています。ヒートマットがあるのと無いのでは、特に根が安定していないアガベの育成のダッシュ力がやっぱり違います。

寒い時期のお迎えには必須ですね。
使っているのはコレ
GEXのヒートマットを使っているのは、生体に使用するものなので安心して使えるからです。発熱するものなので知らないメーカーの中華製はちょっと怖いので避けています。

植え付け1ヶ月で根が張った金剛狼|2023年3月
入手して用土に植えてから1ヶ月。ヒートマットで鉢底を温めていることと、自分の環境は部屋自体も冬も暖かいので株がよく動きます。
金剛狼も1ヶ月でしっかり水が吸えるようになり、葉の赤みも消えました。葉には厚みも出て新しく展開しています。

金剛狼は小株だと特徴がないですね。

金剛狼という名で検索すると他のアガベの写真が出てきたりします。もともとあんまり出回っていないタイプだし、小株の段階だと特徴がないため騙されたのかなという印象です。
中株で少しワシャっとしてきた|2024年5月
小株を入手して育成1年2ヶ月。4号の鉢から出るほどなので、中株と言って良いサイズまで育ちました。金剛狼っぽいサイドの鋸歯のワシャワシャ感がちょっとだけ出てきました。この頃までは葉の色は深い緑色で鋸歯は黒いです。

大きくなるのは早いけど、特徴が出るのは遅そう。

この時の4号鉢はバンクスコレクションのミドルポットを使っています。鉢底がほぼメッシュなので水捌けがよく、金剛狼は根が強く成長が早いのでこの鉢を中株にチョイスしました。

金剛狼の小株から育成2年弱|2024年12月
小株から金剛狼を育成し初めて、1年10ヶ月。根の整理や用土を中株以降は通常用土にしたこと。さらに使用していたLEDを変更したことで、葉の色が小株〜中株の頃に比べると薄い緑に変化しました。鋸歯は白っぽくなりました。
でも、まだまだ金剛狼の本領であるサイドの鋸歯のワシャワシャは弱いですね。
金剛狼は成長が早いようなので、一気に鉢を大きくするとサイズアップしそうだったので鉢増しを小刻みに。アガベ自体が大きくなり鉢の高さがあるとLEDに近づきすぎるので、FRシリーズの4.5号の鉢に植っています。

室内でも育成次第で、葉や鋸歯の色が変化します。

4.5号鉢は意外と少なく5号までは…という時にFRシリーズはとても便利だなと思っていて、結構好きで使っています。

鋸歯のワシャワシャが出始めた金剛狼|2025年7月
小株から育成を始めて2年半ほど。順調に育てっている金剛狼は4.5号鉢からも出るほどの大きさになりました。やっと新しく展開する葉のサイドの鋸歯に長さが出てワシャっとなりはじめました。

サイドの特徴的な鋸歯が出てきました。

中心部分の葉の鋸歯と、下葉の鋸歯を比べると明らかにサイドの鋸歯の長さとうねりが増してきています。2年半の育成でやっと金剛狼の特徴が見え始めました!
でもまだ葉の幅は出ていないので、まだまだ親株と言える顔は出ていません。下葉も若株の鋸歯ですし。サイドの鋸歯が発達した葉が生え揃った時くらいからが、金剛狼の本気の鋸歯が出てくるんじゃないかと思っています。

アガベ金剛狼の育成している感想
アガベ金剛狼(ウルバリン)は、超有名ナーセリー龍球荟のネームドアガベで、じっくり育てながらその特徴や変化を観察してきました。
龍球荟は子株を親株を切って生産するスタイルでTCのような工場的な超大量生産は行わず、さらに自分が金剛狼を手に入れた当時、小売りはしていなかった(今でもかな?)ので出回る子株自体が少なかったです。
龍球荟の金剛狼が忘れられない
金剛狼は、今現在流行っているトップスパインの幅があるタイプではないですが、自分は最初に見た金剛狼のサイドにワシャワシャした鋸歯を纏った姿に魅了され続けています。と言っても、まだまだ自分の金剛狼くんはその姿から遠いのですが。

最初に見た金剛狼の姿が忘れられません。
育成には年数とストレスが必要か
実際に小株から育ててみると金剛狼は大きくなるのは早い印象ですが、金剛狼らしさを発揮するのは年数がかかるイメージです。鉢を大きくして甘い用土だと、強光でもどんどん大きくなってしまい大味になってしまいそうなので、ある程度コントロールが必要だと思いました。
ストライクを探しながら、ガチっとストレスを与えないとスクスク大人しい鋸歯のまま成長してしまう感じです。本当は屋外で太陽や寒さ暑さに晒されるのが良いのかな、なんて思いますが。自分は自分に許された環境で、あの憧れの親株の姿に近づけたいと思って試行錯誤しているとこです。


メッセージがあればどうぞ