もう、豆知識でもないです。カテゴリー無視で自戒の念でアガベの葉焼けの記録をします。あまりにショックで桜の咲いているこの時期まで書けませんでした。
2025年1月31日。大事に育てているオテロイ(チタノタ)の9割ほどを葉焼けさせてしまいました。現在進行形で失意の中にいます…。
しかもかなりの大ダメージの葉焼けです。たった1日ミスっただけなんですけど、その原因というか考えられる要因が興味深いなと思ったので、葉焼けについて調べることにしました。

何年もかけて育成した株が…。本当に落ち込んでます。
通常、葉焼けをさせるというのは、“太陽で育ててた株をLEDに移動した”とか、“室内育成の株を太陽がガンガン当たる場所に移した”とか、それまでの育成環境から急に強い光の環境へと変化したことで起こる場合が多いかと思います。
自分の場合は『1日だけLEDライトの点灯をしなかった』というものです。
家族旅行に1泊2日で出かけて、2日目の夜に帰宅した際にアガベのLEDライトがその日1日点灯していなかったことが発覚。理由はLEDスマートコンセントのタイマー作動プログラムをミスっていたためです。詳しく整理して記録します。
ひどい葉焼けをしてしまったアガベたち
まずは葉焼けが、どれだけひどい状況かを隠さずに書きます。書くだけで辛いですが、この経験を活かさなければショックすぎるので。もしかすると誰かの役に立つかもしれないし、この葉焼けを教訓にするしかない。

とくにお気に入りのアガベも焼けました…。
子株から大株までサイズは関係なく葉焼けしたアガベ。持っているオテロイ(チタノタ)の全体の8割がかなりのダメージを受けてしまいました。参考に葉焼けしたアガベの一部を掲載します。
ウチで採れたオアハカのカキコも焼けました。

阿修羅や鳳凰などお気に入りの青葉系の株は全滅です。

一番ひどく焼けたのは、お気に入りのメキシコです。

メキシコの隣に置いていたSADも焼けました。

いい感じに育ってくれていた大切なTBLも…。現在中株ほどで4号鉢を超えるくらいに育った株、心砕かれる思いです。

子株なら葉焼けしても復活までの時間が短いですが…、この株は6号鉢サイズの大きめな株です。完全復活までは数年単位で必要ですね。

葉焼けした部分に汁が出てきているアガベもチラホラあります。最初は粘着性があったのですが数日で固まり、かさぶたみたいになりました。

マツヤニみたいな感じでした。

強光に強いオアハカ現地。大きな株だけど、この子も葉焼けしてしまった…。

葉焼けの被害は日を追うごとに明確に
アガベの葉焼けの被害は、時間が経つとともに目に見えてハッキリと出てきます。どんどん見た目が悪くなるのですが、症状が悪化している訳ではなく死んでしまった細胞が目立つようになってくるイメージです。
アガベ自身がダメになった部分を切り捨てるために、周りの細胞を殺すので被害が広がっているようにも見えます。
植物は哺乳類のように治癒の機能を持たないので、ダメになった部分の周りの細胞の先回りして死滅し、それ以上腐食や汚染などのダメージが広がらないようにします。



こればっかりはどうしようもないです。
自分のオテロイ(チタノタ)の育成環境
簡単に葉焼けしてしまった時点のアガベの普段の育成環境についてのメモ。
- LEDでの室内育成
- 照射時間は11時間
- サーキュレーター24時間
- 室温15〜29度(夜間が最低で、最高は昼過ぎぐらい。)
LEDはパネルであるMARSとBRIM、さらに光の弱そうなIKEAのスポットでも葉焼けしている。アマテラスとヘリオスのスポットでも葉焼け。ただ、MARSとIKEAに関してはUVとIRの補光、さらにMARSにおいては赤&青の補光も行っている。
よく初夏にエアコンの設定をミスって葉焼けさせてしまった経験があるけれど、その場合は室温が高温になっている。今回は、室温は留守だったこともあり通常より低かった。
場所を移動している訳ではないので、急に強光に晒された感じとも違う。(よくあるのが室内から屋外管理に変えた場合など。)
LEDの点灯消灯の管理はTP-LinkのTapoのスマートコンセントを使っています。室温とエアコンの管理は別でSwitch Botを利用しています。

LEDの管理はTP-Linkを利用しています。

葉焼けが発生するまでを時系列で整理
葉焼けが発生するまでを時系列に簡単に整理すると、以下のようになります。
- 1月27日:水やり
- 1月30日:丸1日ライトが消灯したまま(37時間真っ暗)
- 1月31日:通常のライト点灯で葉焼けが始まる
- 2月1日:ほとんどの株に葉焼けの症状が出る
ポイントだと思う点は、丸1日ライトが消灯したままになった日。遮光のロールカーテンを窓に設置してあり、出かける前に降ろして行ったので、本当に真っ暗の中アガベたちは1日を過ごした。
葉焼けした原因を考察
まず葉焼けしたアガベの共通点を整理してみます。ちなみに別の場所においてあった数株のアガベは、時間通りにLEDが点灯し葉焼けはありませんでした。
葉焼けしたアガベの共通点
- しっかり根を張り元気に成長していた株
- 中心から3枚目から5枚目くらいの葉焼けがひどい
- LEDの種類問わず葉焼け
- 1日LEDなし(37時間真っ暗)
- ロールカーテンで外の光も遮光され、真っ暗な中にいた
強い光のLEDだけでなく、IKEAの弱めなライトでも葉焼けが発生したことが興味深いです。
原因は真っ暗で光合成のバランスが崩れたことか?
LEDのスマートコンセントの設定をミスってしまって、丸1日ライトが当たらなかったアガベ。窓には遮光ロールカーテンをしていて、出かける時は閉めていたので昼間でも真っ暗な状態でした。

自然界ではありえないくらい真っ暗な状態で過ごしたアガベ達。
アガベたちはLEDという人工のストレスの高い強い光のもとで光合成し、活性酸素とのバランスをとっていたのに、急に光を与えられないものだから活性化酸素が悪さして葉緑体や細胞を傷つけたのか?
CAM植物だから夜間も活発に活動しているであろうアガベ。夜間はCO2を取り込んでリンゴ酸にして溜め込んでいる。丸1日ライトが点灯しなかったことで、通常より暗い時間がとても長かった。リンゴ酸を溜め込みすぎたり、ライト点灯時に有り余るリンゴ酸がうまく使えなかったり、もしくは一気に使う量が多かったりとかもあるのか?

素人の自分には分からないです…。
細かい原因はわからないものの、日本植物生理学会の質問コーナーに興味深い記載があったのでご紹介します。
「夏の日差しのもとで植物の葉に水をかける」ことはやってはいけないことの1つです。その理由は、夏の日差しのもとでは葉の温度がかなり高くなっています。そこへ、冷たい水を急にかけてやれば、「冷水に飛び込んだ」と同じことで細胞は急激に活性が低下し、有り難いことではありません。光合成活性ももちろん急激に低下します。そのため、夏の日差しのもとで何とかバランスをとって活性酸素の処理をしていたものが、急に光合成活性が低下しますので、余った光エネルギーで活性酸素が発生し、その影響を受けたためと考えられます。
日本植物生理学会 水遣りによる葉焼けのメカニズム?
自分なりに今回の葉焼けのまとめ
植物は動けない分、その場所で生きていくことに長けています。
自然界で日中本当に真っ暗になるのは、皆既日食の時くらい。太陽が隠れてしまうから、大昔では恐れられた事象。それくらい“普通じゃないこと”。その普通じゃないことをしてしまった。
通常24時間中11時間も活発に光合成している、しかも強い光に当たっている植物が“37時間も光が全く当たらない”のは異常事態です。調子を崩しても当然の結果。
さらに、LEDが点灯しないことで室温も低く、一気に活性が低下させられたことも関係するかもしれません。
もしも37時間ぶりの光を調整し、弱光から慣らしていけば葉焼けは防げたのかな?とも考えたりもしましたが、分かりません。すでに盛大に焼けてしまってますので…。
要は急変には対応できないのが植物。だからこそ環境変化は慎重に丁寧にしないといけないなと改めて思いました。

可哀想なことをしてしまいました。何年かかけて作り直します。
ちなみに根がガンガン張っていないような株、植え替え直後の根を整理した株は葉焼けしていませんでした。LEDも弱目のところに置いていましたが、何よりも根を整理していて葉の展開も止まっていたりしているので、光合成自体を活発に行っていなかったので無傷なのだと思います。
家を空ける際には、細心の注意を払うことを肝に銘じます!
こんな経験もあります

メッセージがあればどうぞ